2019年頃に鬼滅の刃が大ヒットしたと言ってマスメディアを賑わせていたようですが、その当時はただの漫画だろうと興味がなかったんですが、ある先生が鬼滅の刃のことを絶賛していたので、まずは一度見てみようと思って見てみました。
見る前からその先生が、キャラクターはともかくとして、とにかく出てくるセリフとか、ストーリーを貫く哲学とか考え方みたいなものがとても素晴らしい、とおっしゃっていたので、セリフやストーリーそのものに注目しましたが、なるほどその通りだと思いました。
私は柔道を高校1年の時から警察官を辞めるまでやり、黒帯を持っておりますが、武道にも通じる呼吸の話や、もしも得意なことがひとつしかないとしたならばそのことを徹底的に極めるまでやりぬくこととか、一回二回やった程度で分かったつもり・できた気になってるなんてのは馬鹿げた話だとか、親とか先輩とか師匠とかを大事にすることとか、根底に流れているのは大昔から続いてきた古き良き日本の考え方だったのです。
信念を持ったならば成功できるまで諦めるな!とか、強くなければ大事なものを守れない、とか、本当に未来永劫受け継いでいきたいような、日本の強さそのものなのです。
戦前の教育を受けた老人が感動するのも理解できますし、その影響を受けた戦後教育の世代が感じてきた違和感がすっきりしますし、何よりも凄いのは、小学生や中学生に大うけしている、ということです。
私は中学校1年の時に歴史の授業をうけていて何かがおかしい、と感じていましたが、それが何だったのかは後の勉強ではっきりしました。要するに、オカシナ歴史認識が教科書に盛り込まれていたことを見抜いたわけです。テストで100点をとるためにもちろん歴史の勉強もしましたが、教科書に書かれた歴史が好きになれず、地理で大学入試まで通しました。塾の仕事をするようになってから自分で歴史の勉強を続けましたが、今では確信を持って、教科書に書かれた歴史はオカシイと断言できます。ですが、テストで得点することは必要ですから、そのためにも教科書の歴史を勉強する必要は大きいです。
授業中に生徒様によく言うのが、「妄信するな・疑え」というセリフです。どの教科でも、妄信すれば無思考につながります。でも疑うくせをつければ、考えたり調べたり確認したり、要するに勉強することにつながります。これはどの教科・科目でもそうだと思います。
だから、暗記するな、暗記はどうしようもない時の最終手段であって、基本的には覚えてしまうまでやれば覚えるのである、といつも言っています。
強迫観念でやる勉強も、あまり多用しない方がいいよ、ともよく言います。なぜなら、ひたすら苦しい勉強になるからです。
鬼滅の刃には、とても素晴らしい言葉や考え方が含まれています。それは、先祖代々の価値観だったりすると思います。だから世代を越えて、老人にまで受けたのでしょう。時代設定が江戸時代の人も生きていた大正時代なのですから、それはむしろ当然でしょうが、驚くべきことは、その孫やひ孫にあたる今の子どもに受け入れられているということです。
隔世遺伝とでもいうか、孫やひ孫にあたる今の子どもにも響く価値観というのは、遺伝子レベルのものかもしれません。細胞レベルの正しさ、でしょうか。
キャラクターはちょっと幼稚ですが、鬼滅の刃を見ていて、何故だか涙が出てくるシーンが何度かありました。こんな漫画はそうそうあるものではないですね。
学校というシステムから脱洗脳するには、良いかもしれません。
受験予備校常勝は、学校や普通の塾ではやらないような勉強を中心にしています。
それは新しいのではなく、古典的だと思います。