ひたちなか市の学習塾・個別指導塾・進学塾 受験予備校常勝の塾長の吉村仁です。
ニュースで知ったのですが、77歳の有名人の方が橋から転落して亡くなったそうですね。
私の親ぐらいの世代になりますから、その人の事はほとんど知りませんでした。
その人が活躍していた頃は、私は子供でしたからね。
まあ80歳前後になれば、自殺だろうが事故だろうが病気だろうが、要するに死んでもおかしくはない年齢だよな、と気軽にそのニュースを脳に入れないようにしようとしたのですが、
その人が小学校しか卒業していないというところを聞いて、反応してしまいました。
八十歳前後の人だと、小学校しか卒業していないなどということがあるわけですね。
有名人でもなければそういうことはうやむやにされているわけですけれども、 有名人の場合はそういうことも晒されてしまうわけですね。
太平洋戦争の後昭和の時代に日本が急激に豊かになっていく過程で、大学を卒業している人がとても有利な立場にいて、
高校とか中学校しか出ていない人が不利な立場に立たされたので、
そういう世代の人たちが、 自分の子供を大学まで行かせようとしたんですね。
そういう時代の有名な映画に「 男はつらいよ」という映画がありますが、その主人公も、確か小学校中退でしたよね。
現在では信じられないような話ですけれども、戦前の教育プログラムでは、小学校中退とか、そういう人までいたんですね。
それが GHQ に占領されて日本国憲法と教育基本法の成立によって、 その後の世代は全員中学校までは卒業することに激変したわけですね。
私の両親も学歴がありませんでしたけれども、 学歴学歴と急激に言われるようになったのは、昭和30年以降なわけですね。
日本という国の経済的な発展とともに、学歴至上主義というのか、とにかく学歴さえあれば有利な人生が歩めるのではないか、という一種の信仰によって、受験競争が激しくなっていったんですね。
平成の時代になって、最初のうちは戦後のそういう流れが続いていくかに見えましたけれども、
平成の時代は災害の時代だと言われたように、バブル崩壊に始まった不景気の上に、災害がどんどん起こって、またゆとり教育の時代というのもあって、受験の圧力というのは、平成の後半の時代にどんどん下がっていったんですね。
私立大学が山のようにできたということも、大学全入時代と揶揄されたように、受験の圧力を下げていきましたね。
大学を卒業したからといって安泰なわけではないんじゃないか、という風に、世の中の空気が変わってきたようにも思います。
そうやって考えると、ものすごく短い期間で、ジェットコースターみたいに、景気の変動みたいに、意識が変わってきたようにも思えますね。
意識だけではなくて世の中の構造自体も、どんどん変わってきているんですね。
大人の感覚というのは自分が生まれ育った時代の感覚を引きずっていますので、10年とか20年ぐらい遅れている可能性があるんですね。
ところがインターネットなどの普及によって、世の中が急激に変化しようとしているわけですね。
そういう時代の変化に、ついて行くのが大変ですね。
変化に全く左右されないと言うと、公務員になるのが一番賢い選択だということになるのでしょうけれども、
社会主義ではないのだから、国民全体が公務員になるということはありえないわけで、
資本主義で自由主義である限り、基本的には競争原理が根本にあるわけですね。
先祖代々お金持ちだとか、親が資産家だとか、そういうことであれば学歴などというものは全く必要ないのかもしれませんけれども、お金持ちでもなければ資産家でもない場合は、何とかして生きる道を見つけていかなければならないわけですね。
公務員でもなければ資産があるわけでもない、そういう人の場合は、
大企業にしがみついているのでもない限りは、
学歴があっても安泰とは言えないような時代になってきていますから、
どんどん変化がスピードアップしていくこれからの時代を生きていくためには、「生き抜く力」をつけることが、本当に大事になってきたんだと思います。
要するに、学歴はあっても困らないものですから、大学を卒業するということは無意味ではありませんけれども、これからの時代は大学を卒業したからといって安泰なわけではないので、まあ保険程度に考えることにして、
大学を卒業するような学力をつけることそのものが、要するに頭を良くするということ自体が、ますます大事になってきているのだと思います。
なんちゃって大学生などというものは、これからの時代は必要ないということですね。
大学入試制度自体も、本当の意味で思考力がないような、判断力がつかないような受験勉強をしてきた人は、淘汰されるべきだという風に変わろうとしている。
マスコミとか有力者といったような、誰かが言っている二次情報とか三次情報ではなくて、一次情報つまり生データを元に、自分の頭で考えて判断しなくてはならないという、そういう意味での頭の良さが、これからますます求められてくるんだと思います。
そういう能力を磨くためには、これからはますます、他人が言っていることを鵜呑みにしないような、客観的で論理的な判断能力が大事になってくるでしょうね。
私は授業中に子供達によく言うのですが、
鵜呑みにするな。片っ端から疑ってかかれ、
ということですね。
その上で、
自分の頭で考えて判断する癖をつけなさい。
そういう指導の方針が、これからの時代を生きていく子供たちには、ますます大事になってくるんだと思います。