受験予備校常勝は、小学生中学生高校生に勉強を教えています。でも、「勉強」には2種類あるということを、このブログであまり書いたことがないなあ、と気づきましたので、書いてみたいと思います。
「勉強」には、広い意味の勉強と、狭い意味の勉強と、2種類があります。
広い意味の「勉強」は、考える力そのもの、生き抜く力を高めるような勉強です。考えるということそのものなので、人生に関わることです。その一部に、狭い意味での「勉強」を含みます。受験勉強とかテストのための勉強というのは、狭い意味での「勉強」です。
狭い意味の「勉強」は、受験勉強とかテストのための勉強なので、目的もやるべきこともはっきりしています。
受験勉強とかテストというのは、それを受ける人が元々ある価値基準に達しているか?どの程度の評価が得られるか?というモノサシがはっきりしているので、対策は簡単です。その基準に合うための知識を学び、練習して、習得すれば、価値を高めることができる、ということですね。
受験勉強とかテストのための「勉強」は、受験する学校などが求める尺度に自分を合わせて自分の商品価値を高くして、できるだけ高く売れるようにする、ということですね。そのためには余計なことをやらず、評価=得点に直結することだけを覚え、マシーンのように練習することが最も効率的、となりますね。
だから、狭い意味の「勉強」は、効率重視となります。最短距離を最速で最小の努力で走ることが良い、となりますね。ゴールがものすごくはっきりしていますから。
でも効率重視しすぎると、非効率になってしまう、というのが、本当の話です。なぜかというと、最短距離を最速で最小の努力で走ることが良い、というように効率重視でやっていると、機械的な状態つまり応用できない状態になってしまうから、変化球には対応できなくなってしまうので、伸び悩んだり頭打ちになったり行き詰まったりする可能性が高いから、なのですね。
ということは、効率重視しすぎると、社会人になってからの広い意味の「勉強」、つまり考える力そのもの、生き抜く力、は、弱くなってしまうという欠点がある、ということなのです。正解が無い状況で正解を導くような思考力が、社会人になってからは重要なのですね。それには対応できなくなる危険性があるのです。
社会人になってからの生き抜く力をつけるために、広い意味の「勉強」をして、考える力そのもの、をつけたいのならば、狭い意味の「勉強」、つまり受験勉強やテストで得点するための勉強だけに偏るのは、怖い側面がある、ということなのですね。
社会人になってからの生き抜く力、広い意味の「勉強」を積み上げて、考える力そのもの、正解が無い状況で正解を導くような思考力をつけたいのならば、非効率であることを、受け入れなければならないのですね。
短期間で、と考えてはならず、長期的なプロセスが必要になるのです。なぜなら、旅の途中過程の試行錯誤の経験の積み重ねこそが、もっとも価値があるから、です。道中を楽しむ、というのは、最短期間に最短距離を最速で走る、ということでは、無理ですね。無駄なことや効率が悪いことも、経験値を上げるわけです。
狭い意味の勉強つまり受験勉強で成功するだけでなく、社会人になってからの生き抜く力つまり広い意味の勉強、つまり考える力そのもの、をつけたいのであれば、非効率を受け入れ、長期間をかけて取り組まなければならないのですね。
苦しみ悩み、探して、考えぬかなければ、失敗も受け入れなければ、社会人になってからの生き抜く力つまり広い意味の「勉強」にはならず、正解が無い状況で正解を導くような思考力、考える力そのもの、は、つかないのですね。
最短期間に最短距離を最速で挫折なしに合格まで一直線に走る、というような指導は、受験予備校常勝もプロですから、得意中の得意です。ゴールが明確なのですから。
でも、それ「だけ」を求めるのは、お勧めできません。人生は続くのです。広い意味の「勉強」を、できるだけ長期間、積み上げることを強くお勧めします。
「勉強」というのはコンビニで商品を買うのと同じようには、いかないのです。まるで他人の半分の時間や労力で他人の倍の結果が得られるかのような気風を蔓延させたのは、教育業界だと思います。私は、そういうのが昔から大嫌いです。
広い意味の「勉強」を、できるだけ長期間、一緒にやっていきましょう。