ひたちなか市の学習塾・個別指導塾・進学塾 受験予備校常勝の塾長の吉村仁です。
脳科学の中野信子先生という人がいるんですね。
脳科学というのは精神医学とほとんど同じことを扱っているけれども、精神医学の場合は精神病患者などの病気とか障害を対象にしているのに対して、脳科学の場合は健常者を対象にしている違いがあると言うんですね。
東大医学部大学院を卒業していて IQ 150ぐらいの知能を持っていて、それでいてヘビーメタルが好きなので髪は金髪にしているけれども科学者というイメージに合わせるために黒髪のかつらをかぶっている、という、相当変わった人なんですね。
その中野信子先生が面白いことを言っていました。
学生時代にあまり勉強していなかったって言うんですね。
どういうことかと言うと、教科書などに書いてあることを一度読むと理解できてしかも一発で覚えてしまうと言うんですね。
しかも、一度授業を受ければその授業の内容を理解できて覚えてしまってなおかつテストで満点が取れる状態になると言うんですね。
子供の頃にそういう状態だったので、他の人達はなぜ自分と同じではないんだろうと、不思議に思っていて、たまにそういうことを言ったりしていたのでいじめられたり変人扱いされたりしたというんですね。
そういう脳みそを持っていたので、覚える努力をしたのではなくて、忘れる努力をしたというんですね。
そういうわけで、なんで脳みそはこんなに人によって違うんだろう?ということに興味を持って、元々は工学の道に進もうと思ったんだけれども途中で路線を変更して、脳みその研究に進んだという話なんですね。
天才とキチガイは紙一重という言葉が昔からありますが、見たもの聞いたものを一切忘れることができない脳の病というのがあって、生まれつき脳の構造が普通の人とは違うその病の人は、一般社会には全く適応できないので、子供のうちに脳が異常を起こして発狂してしまうので、若いうちに死んでしまうか生きているとすれば精神病院の中にしかいないと言うんですね。
でもそれは極端な例で、都合のよいことだけほとんどのことを記憶してしまう脳みそというのもあって、東大のトップレベルの人は、そういう脳みその持ち主みたいなんですね。
弁護士になるための司法試験を受けた人が、「司法試験のトップ5%から10%ぐらいの人というのは普通の人間とは違う脳みその持ち主なので、言ってみれば宇宙人だから、そういう人と競争しようなどということを考えずに、その他大勢のどんぐりの背比べの中に滑り込むことだけを考えなさい」と司法試験の予備校の講師が言っていたのでびっくりした、という話を大学時代に同級生がしていて、裁判官になるような人はそういう頭脳の持ち主なんだろうな、と、妙に納得したことを思い出します。
要するに、東京大学に合格できるほどの成績優秀者の中にも、実は相当な力の差があって、まるで漫画か映画の中に出てくる登場人物みたいな、絵に描いたような天才というのが世の中にはいるらしい、ということなのでした。
そういう話はずいぶん昔から聞いていましたので、中野信子先生の話というのは、あながち大げさではないんだろうと思います。
一度勉強したことを忘れることができない脳みそは、受験勉強のためにはものすごく都合が良いけれども、私のような凡人には全く理解できないような悩みがあるのかもしれません。
だから、忘れるための努力をした、忘れるための訓練をした、などといったことになるのでしょうね。
中野信子先生の話の中で、授業の受け方とノートの書き方についての話はとても興味深いと思いました。
板書をノートに書くなどということは意味がなくて、先生がしゃべっていることをノートに書いておいて、しかもわざと、ノートを余白だらけにしておくと言うんですね。
その余白は何に使うのかと言うと、後で自分で調べなおしたり自分で考え直すことで、咀嚼して、 要するに一種の公式とか方程式みたいな、あるいは要約みたいな状態にして、書き直すのだという話なんですね。
この話はものすごく理解できることで、私が学生時代も、自分の手の指が何本あるか分からないほどに視力が悪かったものですから、板書を書き写すのも一苦労だったので、仕方がないので授業中に先生が喋っていることを片っ端からノートに速記すると言ったことをやっていたんですね。
授業中の先生はしゃべりっぱなしなわけではありませんので、喋っていない時間には自分の頭を使ってそれを書き直したりとか要約・図式化などをしていたんですね。
そのことが自分の脳みそを鍛えることになって、後の速聴の訓練にもつながっていったんですね。
元々は出来の悪かった脳みそを、そうやって2倍速3倍速とフル回転させて、 鍛え上げたんですね。
その結果、自分の手の指が何本あるか分からないほどに視力が悪くなってしまうことにつながったわけですが、こちらは社会人になってから、ソ連に留学して習得したというブラックジャックのような眼科医のラジアルケラトトミーという名前の手術によって、視力1.0に奇跡的に回復したわけです。
その手術は警官になるよりも前でしたので、 それから何十年も経っている現在でも裸眼で運転免許が取れている状態が続いていますので、眼科医の世界では異端児扱いされていたその先生の技術はものすごい技術だったのだと今でも思います。
百瀬皓先生という方で、ググってみましたら存命なのですね。今でも感謝しています。
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/103777.html
というわけで、脱線してしまいましたが、中野信子先生の脳みそは普通ではありませんけれども、中野信子先生のノートの取り方の話は、本当に効果的だとは思います。
生徒には、そういうノートの取り方を勧めています。
まあ、天才と凡人では得られる結果は違うでしょうけれども、私は凡人が天才に勝つ「かもしれない」指導をしていますので。