029-354-1241

【電話受付時間】
9:00~20:00(平日・土日祝とも)

中学生 日立一・日立1 日立一高 水戸一・水戸1 水戸一高 緑岡 考え方

受験インフレの話


県立高校入試は平等ではありません。
推薦入試では通信簿の3年分の合計が合否を決めるということは知られていますが、
県立高校の場合は、一般入試もまた、通信簿の3年分の合計持ち点によって、
合格の可能性が大きく変わることは、同じなのです。
それが良いことか悪いことかの問題ではなくて、
県立高校の入試制度はそうなっているのだ、
ということを、できるだけ早くから知ることが大切です。
ですから、今1年生である場合は、通信簿を1教科でも多く5にしておくことに集中するべきです。
今2年生の場合も、1年生の通信簿はもう変えることはできませんが、
これからの通信簿を、保健体育も技術家庭も、全て5にするようにしていかないと、
近い将来の高校入試で苦しい戦いをしなければならないことになってしまいます。
県立高校の入試制度は、まず9教科の通信簿の3年分の合計点の良い方から合格の候補者を決めて、
次に入試5教科の得点で合格者を決める、という、二段階の選抜になっています。
ですから、他の受験生よりも通信簿の3年分の合計が少ない場合は、
ほとんど最初から不合格なのだ、ということになり、
B群合格つまり敗者復活戦で合格するためには、
入試のテストで余程良い点数をとらないと、
合格はできないことになります。
入試が近づくと内申書と入試テストの比率が7:3などと発表されるので、
入試当日のテストの点数が重視されるのかと勘違いする人がいますが、
7:3とか3:7とかいうのは、
その敗者復活戦のことを言っており、
合格者の2割程度にしか当てはまらないのです。
合格者の8割は、通信簿の合計が有利な人が、
それなりのテストの点数をとったから余裕で合格したのであって、
通信簿は悪いけれども当日のテストで大逆転!などというのは、
ごく少数であるのが現実です。
そんな都合の良いことを考えるのではなくて、
受験の勝者の考え方は、
1年生のうちからできるだけオール5にすることを考え、
勝つべくして勝つ、ということです。
ならばその通信簿はどうやって決めるのかというと、
テストの点数で決めるわけではない、
ということです。
保護者の年代の通信簿では相対評価の考え方で決められたので、
100人中7人のみが5になり、
100人中7人は絶対に1になりました。
これが昔のやり方で、
そのパーセントは厳格だったのです。
ところが今の通信簿は絶対評価になっており、
そのパーセントは決められていません。
すると今はどうなったかというと、
担任の先生の気持ちを考えれば分かりますが、
可愛い教え子に1をつけたい人などいない訳です。
するとどうなるかというと、
1は余程のことがなければつけないことになります。
つまり昔の1は単純に100人中7人につけられましたが、
今の1はつけなくても良いのにわざわざつけるということであり、
要するに、今の1は死刑宣告だということです。
ですから高校側は、まず1がある人を自動的に不合格にします。
そうなることを分かっていて、
中学校の先生は、1をつけるわけです。
「お前なんか高校に行かなくていい」
という意味になります。
さて、ここで、昔は当然1になった人が、
今は多くの場合は2になることになります。
しかしそれでは2だらけになってしまうので、
昔の2の人が、今は3に含まれることになります。
すると3だらけになってしまいますので、
昔の3の人が、今は4に含まれることになります。
すると4だらけになってしまいますので、
昔の4の人が、今は5に含まれることになります。
学校の先生にしてみれば、
本当は生徒の半分に5をつけてあげたい気持ちです。
でもそれでは校長から「待った」がかかるので、
我慢して4に戻します。
絶対評価というのは、
こういうことが起こっているのだということです。
更に、かつて行われた学習内容の3割削減によって、
出題範囲が昔よりも狭くなりました。
するとテストの出題が簡単になったわけですから、
昔のテストよりも良い点をとりやすくなったことになります。
するとお分かりのように、
みんな80点とか90点がとれるわけで、
ここからも、昔の5の実力がなくても、
今は5をつける理由ができたことになります。
このようにして、
今は5が乱発される傾向が強く、
今は5や4が多すぎて、
インフレ状態にあるということです。
さてそこで、
県立高校入試の話に戻ると、
5がインフレだということは、
受験生の中に4の人がいると、
その人は昔よりも不合格になりやすくなったことになります。
ここで問題が起こります。
保護者の時代は通信簿の5には100人中7人以内という保証があったのですが、
その感覚で子どもの通信簿を見てしまうので、
勘違いすることになります。
つまり今は100人中10人に5がつけられている可能性が高いのに、
上位7位以内だと思い込んでしまうわけです。
そういう人が多くなるとどうなるかというと、
水戸一高や緑岡高、水戸二高などに合格できると思い込む人が増えるわけで、
現実の実力と合わなくなるわけです。
他の高校でも同じことが言えます。
たとえば勝田高校は偏差値で52ぐらいなので、
真ん中ぐらいで合格できると思うわけですが、
真ん中であるはずの通信簿オール3の人が受験すると、
実は不合格になる可能性が高いことになります。
通信簿もテストの点数もインフレの傾向が強くなり、
ここ数年は、5や100点の価値が昔よりも下がったのです。
現在、そういう状況を改善しようとして移行措置により少し昔に戻そうとしていますが、
おかしなことに、
絶対評価のやり方は変わりません。
するとどうなるのかというと、
数年前よりもテストの点数が下がるようになり、
でも通信簿の5は減らない、となります。
現在行われている絶対評価の異常さは、
保護者と面談するとはっきり表れます。
Aさんは
「ウチの子は90点以上をいつもとっているのに、
通信簿はいつも4になる。
どうしてでしょうか?」
と言いましたが、
そうなる理由は簡単です。
一言で言うと、
学校の先生に嫌われているということです。
逆にBさんは、
「ウチの子は90点以上をほとんどとったことがないのに、
通信簿はいつも5になる。
どうしてでしょうか?」
と不思議がっていましたが、
そうなる理由は、
その子が学校の先生に好かれているからです。
好き嫌いで通信簿が決まるのか?
ということになりますが、
テストの点数だけではなくて、
「総合的に」評価することになったので、
授業態度が悪かったり、
提出物が期限までに出されなかったりすると、
学校の先生は5をつけないし、
逆に、ふだんの様子が模範的であれば、
テストの点数がイマイチでも、
5をつけてしまう、ということです。
こういうことを理解していれば、
とるべき行動は決まってきます。
つまり、優等生を演じた方がトクである、
ということです。
中学生は反抗期にあたるので、
偉そうな先生には反抗したくなりますが、
(そういう気持ちはものすごく分かりますが)
優等生の演技ができれば、
良いことが沢山あるのです。
ただし、他の生徒の目もありますから、
あまり露骨に優等生ぶると嫌われます。
そこのところは賢くしないといけません。
高校はある程度レベルが揃った生徒ばかりなので、
人間関係はそれほど大変ではありませんが、
公立中学校は地域の人が皆来ているので、
ご近所づきあいと同じ大変さがあります。
その中で優等生の演技をしていくのは、
意外に大変な努力が必要です。
そういう大変さを軽くするには、
実際に優等生にふさわしい点数をとってしまえば良いのです。
100点をとって普通の態度をしていれば、
先生も生徒も「あの人は優等生だ」と決め付けてくれます。
すると別に演技をしなくても、
自然に優等生として扱われるわけで、
テストで良い点をとることが一番ラクだ、
となります。
嫌味にならない程度に、
できるだけ優等生のフリをしましょう。
と同時に、
とっとと100点をとりましょう。
それがインフレ状態の現在を、
上手に乗り切る秘訣になります。
そして、誰もが受験モードになる中3の秋~冬になる「前に」、
つまり周囲がぼーっとしているうちに、
できるだけ通信簿をオール5にして、
塾テストや実力テストで偏差値70以上がとれる実力を
「できるだけ早いうちに」つけておきましょう。
そして「さあ、これから受験だ」などと言っている人を尻目に、
余裕で合格することを考えましょう。
受験直前になってから慌てるのは、お子ちゃまの行動。
受験の遥かに前から準備万端整えておくのが、大人の行動。
大人の行動をとりましょう。
受験予備校・常勝 塾長
吉村 仁

© 2025 ひたちなか市の学習塾なら高校受験に強い常勝へ