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考え方

プロの現実

ひたちなか市の学習塾・個別指導塾・進学塾 受験予備校常勝の塾長の吉村仁です。

津軽三味線がブームだったことがありました。

私もそのブームだった当時、津軽三味線の CD を買いまくって、コンサートにも何回も行きました。

茨城県の誇るトッププレイヤーに上妻宏光さんという人がいますけれども、彼のコンサートだけでも何回も行きました。

そのコンサートの中で、県内の割合小さな会場でやったことがあったんですが、そこではぶっちゃけトークみたいなこともしてくれてとても面白かったことを覚えています。

小学校時代にすでに津軽三味線の稽古をしていたので、三味線を演奏するためには指が命だからと、手の指を大事にするあまりに、体育の授業の時などで倒れる時に手をかばって顔から突っ込んでいたこと。

そういう小学生だったので、 変人みたいな扱いをされて、いじめられたこと。

その後、津軽三味線の全国大会で優勝したことで、プロになる夢が現実になってきて、小学校時代にいじめてた奴を見返してやりたい、ということもモチベーションの一つだったこと。

そういうぶっちゃけトークみたいな話の中で、最近はブームなので津軽三味線を習いたいという人が増えてきましたけれども、お金をもらえる演奏ができるようなレベルになるのにどれぐらいの年数が必要ですか?と言う質問に対し、彼の答えは、最低でも10年ということでした。

三味線を弾くぐらいちょっと練習すれば誰でもできそうに思うかも分かりませんが、ド素人のちんとんしゃんなどという演奏は、聞いていられるものではないわけですね。

本当にプロとして成立するためには、毎日毎日練習を続けて、全国大会で優勝するような血の滲むような努力を続けて、10年後になんとかなるようなレベルだ、というのですね。

私はその話を聞いて、現実的に趣味として津軽三味線の練習をするのを断念しました。

定年退職した後の時間を持て余しているような人でもあれば毎日毎日来る日も来る日も練習するということは可能なのかもしれませんけれども、私の場合はそのような練習をする場所も時間も無い、と思ったものです。

芸術の世界というのはものすごく厳しいのだなと思いました。

 

プロのバイオリニストの人に、すごいですね言ったところ、彼女はこう答えたものです。

私たちの練習は1日練習をサボっただけで感覚がおかしくなってくる、そういう感じなのです、と。

それほど練習を続けているにもかかわらず、市民会館などのホールで一生懸命演奏しても、周囲からの扱いは、お笑い芸人以下なのが現実なんですよ、と嘆いていました。

スポーツの世界も似たようなものでしょう。

 

子供たちにこういう話をすることがありますが、そういう大変な現実を知ると、勉強を頑張った方がどれほど楽でしかも見返りが確実か、ということに目覚めた人が、勉強を頑張るということだと思うよ、と私は言います。

義務教育レベルの勉強というのはちょっと頑張れば100点が取れて、しかも100点が上限と決まっているわけです。

無限に頑張らなければならないというわけではないわけですね。

頭を使うことは筋肉を使うことよりも重労働ではありますけれども、プロの津軽三味線奏者の人の話とか、プロのバイオリニストの話とか、そういう血の滲むような10年以上に渡るような努力を考えれば、勉強の方が圧倒的に楽で圧倒的に短期間で、お得な結果が待っているわけです。

 

成功者のバイアス、という話もあるわけで、上妻宏光さんのように大成功した人ならばいいですけれども、その影には、どれだけ頑張っても成功できなかった人というのがたくさんいるわけですね。

スポーツの世界でもほとんど同じだと思います。

並大抵の覚悟では、成功できないわけですね。

天才ならば勉強するよりもその才能を磨いた方が早く成功できるわけですけれども、凡人の道を選ぶのならば、そもそも磨くべき才能というのがないわけですから、勉強ぐらいは出来ないと困るわけですね。

 

私には絶対に真似のできないことなので、

ブレイクダンスに興味を持ったことがありますが、

ニューヨークの地下鉄でブレイクダンスを披露してお金を稼いでいる少年のドキュメンタリーを見たことありますが、お金を稼げるレベルのブレイクダンスですから、ものすごく上手なわけですね。

その彼が、学校の勉強を一生懸命やっているので、その少年を取材した日本人が、プロのダンサーを目指しているのにどうしてそんなに一生懸命勉強するのか?と質問したところ、彼はこう答えたんですね。

僕はプロのブレイクダンサーを目指しているけれども、危険な技を連発するので、怪我をする可能性だってあるわけで、怪我をしてしまうとブレイクダンスができない状態になってしまうので、ある程度の勉強ができる状態にしておかないと、人生が行き詰まってしまうことになるよね。

だから僕は、学生のうちは勉強を一生懸命やらなければならないと思っているんだ、と、その黒人の子は答えたんですね。

勉強というのは、その少年が言ったように、保険みたいなものでもあるわけですね。

 

・・・こんな話も、 生徒にしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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