ひたちなか市の学習塾・個別指導塾・進学塾 受験予備校常勝の塾長の吉村です。
大学入試は国公立大学と私立大学とがありますが、国公立大学の受験生の場合は、昔の共通一次から始まった流れが続いていて、現在はセンター試験を受けなければならないのですね。
私立大学はセンター試験に参加していないところもあるし、参加しているところもあるわけですね。
文部科学省は私立大学もセンター試験に参加するように言っているようですけれども、大学の独自性を出すために、高校入試と同じように、大学が自分の所で問題を作っているところもあるわけですね。
文部科学省は平成32年度から導入される新しい学習指導要領を公表していますけれども、学習指導要領というのは日本国内のすべての学校を支配する、省令つまり広い意味の法律なんですね。
要するに平成32年度から法律が変わるわけですね。
その新しい学習指導要領によって、
(新しい元号は2019年の4月に公表されるということですので、2019年の2月である今のところは平成の次の元号が何に変わるかわかりませんので)
平成32年度つまり2020年度から小学校中学校高校と片っ端から内容が変わっていくわけですけれども、その移行措置つまり部分的な変更が新年度から始まるわけで、中学校の場合は教科書の部分的な改訂が決まっているわけですね。
大学入試の場合、現在のセンター試験も「大学入学共通テスト(新テスト)」 という新しい制度に変わるわけですね。
https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/index.html
その大学入学共通テストというのはどんなものなのか
ということですが、一言で言えば問題文がやたらに長くなるわけですね。
数学でいえば、こんな感じですね。
ちなみに現在は
ですから、ぱっと見で違いが分かりますよね。
現在は「あっさり」なのですが、新しい大学入試の問題は「こってり」ですね。
解答用紙も変わります。
マークシートなのに、なぜか「記述欄」があるんですね。
1枚の解答用紙で、マークと記述を兼ねているのですね。
でも、記述試験といってもいわゆる「短答式」で、二次試験のような完全な記述試験ではないですね。
判読できる文字で書けばいい、という程度で、二次試験のような「答え方」に対する対策は、あまり必要ないでしょうね。
比較のために、現在の数学1Aの解答用紙はというと、
現在のセンター試験は単純にマークシートだけですね。
ちなみに裏面もそうで、新しい大学入学共通テスト(新テスト)も、裏面は変わらないですね。
ちなみに、国語は
マークシートなのに、解答用紙の片面が記述式。
・・・うーん。
というわけで、ざっとセンター試験と
大学入学共通テスト(新テスト)
の違いを見たわけですが、
現在は問題が「あっさり」なのが、新しい大学入試の問題は「こってり」になって、解答用紙も記述式が入ってくる。
細かくいえば出題の傾向なども変わることが確実です。
センター試験はパターン化しているので、マシーンのように暗記して類題でトレーニングすれば対策できますが、
新しい大学入試の問題は、日本語で書かれた問題文がページ一杯で問題がそれにはめ込まれている、となると、「読解力」が、今後はますます大事になってくるのですね。
国語力がある人が、他の教科についても有利になる。
日本語で書かれた問題文がページ一杯で問題がそれにはめ込まれている、という数学などの問題は、すでに私立高校や私立大学などで行われてきましたが、
それがセンター試験に代わる大学入学共通テスト(新テスト)でも行われるということは、
大学に入学したい人には、全員、
「読解力」が、今後ますます大事になってくる
ということですね。
国語力がある人が、他の教科についても、ますます有利になる。
日本語で書かれた文章が正確に読める、などということは、高校卒業レベルとなれば実は当たり前で、今までのセンター試験のパターン化の弊害をなくしたい、ということなんでしょうね。
「正確に読まなければ問題に答えようがない」のですから。
以前から言ってきたように、筆記具の持ち方や文字の書き方、そういう幼稚園から小学生のレベルから、ゆとり教育によって滅茶苦茶になった状況を、文部科学省は、立て直したいのですね。
まずは大学入試に圧力をかけることで、徐々に高校入試や小中学校の段階にまで圧力をかけていく。
それが、文科省の狙いなんですね。
日本的な上意下達方式ですね。
そして、大学全体の底上げと淘汰を進行させることで、そのトップレベルの、たとえば東京大学や京都大学などに入学できるような生徒を、さらにレベルアップしていく。
ゆとり教育路線がまだ続いていると信じている人は放っておいて、意識の高い賢い保護者と学生だけを、じわじわとレベルアップさせていく。
国策としての、二極化「推進」ですね。
経済的な面での二極化は政治不安を起こしますけれども、それが推進されているかどうかは私には分かりませんが、教育の面では二極化を推進して、教育熱が低い人は義務教育程度でいいとして、
高校教育には圧力をかける。
もともと、「高校」といっても数学の教科書だけで30種類もあり、
高校ごとに授業の内容は昔からものすごく違っていたわけですが、
その差を激しくする方向かもしれませんね。
そういう動きは先進的な大阪府などでは既に起こっていて、
水戸一高に相当する地域トップの高校受験でも、「都道府県立の」高校受験なのに、高校2年生とか高校卒業レベルの学力を求める、つまり中学校の教科書を完璧に無視した出題や合格の条件を出している、ということなのです。
茨城県にも、その影響は来るでしょうね。
文科省の方針ですから。
もともと、中学校卒業程度の義務教育のレベルと、東大などの大学に合格できるレベルには相当なギャップがあって、
そのギャップを高校3年間で埋めること自体に無理があったので、その「矛盾」を私立学校が埋めてきたわけですね。
文部科学省は、そのギャップを埋めるのではなく、むしろ広げようとしている。
なぜかというと、
少子化の進行と大学が余っていること、意識の変化などで、すべての子どもの学力を「下げる」トレンドになっている。
それを、国は立て直したいのですね。
こういう流れは、ゆとり教育が始まる前から、予測されたことでした。
ゆとり教育とは、それがダメであることを証明するための、社会実験だったのですね。
ほらね、ゆとり路線なんて、ダメダメでしょ?と。
そして、勉強は嫌いなのに大学卒業の資格が欲しい「だけ」のナンチャッテ大学生を減らして、本当に学力がある高校生だけを大学に進学させたい。
数学力と、国語の読解力などの論理構成力など、本当にまともな勉強を長年してきたトップ層の学生を、文科省はレベルアップしたいのですね。
たとえば東京大学に入学するのはものすごく大変なイメージがありますが、実は、毎年3000人も合格し続けている。
他の国公立大学は1000人とか2000人とかですから、実は、東京大学に入学するのは他の国公立大学よりも間口が広いのです。
平成31年度東京大学入学定員と入試倍率
たとえば東大に合格できるような頭がいい学生も、暗記とかパターン学習で誤魔化すような人をさらに不合格にする。
塾や受験予備校などが売りにしているパターン学習みたいなものの弊害を、減らしたいんですね。
志願者が毎年10000人もいるって、すごいですよね。
京都大学とか筑波大学・東北大学など他の大学も含めれば、世界に負けないレベルの大学生というのは、毎年、万単位でいるのですね。
そういう、全国1万番以内に入れる学力を持った生徒を、育成したい。
そう切望しています。